2022年7月26日
Portfolio 03 : 松嶋 希七
スタッフ作品特集の第3回目は松嶋希七。
高校時代、修学旅行の際に「写ルンです」を使い始めたのをきっかけに写真を撮り始めた彼女は、
それ以降もずっと気軽に写すことのできる写ルンですを肌身離さず持ち歩いていた。
中でも友達を撮影したことでより一層写真が好きになり、今現在もフィルムで写真を撮り続けている。
専門学校時代もフィルムをメインとする活動をしてきた彼女ではあるが、
今撮っている作品もフィルムで撮影しているものがほとんどであり、
今回は彼女が東京に来てから作っている作品をご紹介します。
普段PENTAX 67ⅡとCanonのAutoboyの二機で写真を撮っていて、
今回の作品にはそれぞれの機種で撮影した写真が入っている。
学生時代は手焼きをする等こだわりを持って作品作りに専念していたこともあり、
東京に来てからも大阪時代の信頼している友人が働いているところに現像をお願いしている。
最近では東京にお気に入りの現像所を見つけてそこにフィルムを出しているようだ。
普段は風景や人、と被写体を限らず写真を撮っている。
今回の作品は何気ない日々の集まりである。
学生の頃から「私写真」として作品をまとめていて、その名残が感じられる。
穏やかな日差しの中で切り取られた瞬間の中に、彼女とその人との対話や思いが見られる。
色味も優しく、彼女のこれまで歩んできた人生の中で目にしてきた光景や情景、心情までもが想像できる。
こんなに美しい光の瞬間が日常の中にあるのか、自分の周りにも実はあるのでは、と見ている側の好奇心をくすぐらせる、
そんな写真だ。
この作品からも感じ取られるように写真を撮ることは彼女にとっては「愛」であり、
撮る対象をいつまでも残しておきたい気持ちが作品から滲み出ている。
彼女にとって写真は「人と環境とのつながりを改めて可視化することのできるツール」であり、
「忘れゆく様々なことを思い出すための行為」でもある。
そんな思いのもと今後も作品を作り続けると意気込んでいる。
1枚目の写真は美容師の友人と一緒に作品撮りをした時のものであり、
この写真のように今後も様々なジャンルの方と一つの作品を作っていくことを目標にしている彼女。
今夏より岩澤高雄氏のもとでアシスタントをして経験を積む彼女が、
今後も素敵なフィルム作品を撮り続けていくことを期待する。
松嶋 希七
Kina Matsushima
経歴
兵庫県出身
2020年 ビジュアルアーツ大阪 卒業
2020年 六本木スタジオ入社
2022年 六本木スタジオ 7月 卒業
2022年8月より 岩澤高雄氏に師事